50代の住み替えで考えたい5つのポイント!
住宅を変えるタイミングや住み替え先を選ぶ基準とは? 50代になると、子どもたちが独立し、老後の生活設計など、住まいに求める条件が変わることが多くあります。
そのため、50代の方々の中には住み替えを考える人が増えています。
実際に、国土交通省の調査では、住み替えをする世帯主の平均年齢は50代後半となっています。
ここでは、50代の方々が住み替えを考える際に押さえておきたいポイントを5つに分けて紹介します。
住み替えに適したタイミングとは?
住み替えを考える際には、以下のようなタイミングが一般的に適しています。
1.子どもが独立したタイミング 子育てのために広い家を購入したものの、夫婦2人ではスペースが余ると感じることがあります。
そのため、子どもたちが独立して家を出たタイミングで、住まいのダウンサイジングを検討する方が多いです。
2.老朽化したタイミング 親から家を引き継いだ場合など、50代になる頃には家の老朽化が進んでいることがあります。
また、若い頃にマイホームを手に入れた方々も、修繕やリフォームが必要と感じることがあります。
そのため、家のメンテナンスや住み替えを考えるケースも多いです。
3.定年退職を迎える前のタイミング 50代になると、定年退職後の生活を意識することが増えます。
住宅ローンを利用して住み替えをする場合、退職前の最後の年代である50代で踏み切る必要があります。
住み替えのタイミングには、個々の状況によって異なる考えがありますが、50代の場合は先延ばしにするよりも早めに決断することが多いです。
なぜなら、早めの段階で住み替えをすることでリスクを小さくすることができるからです。
住まいを早く売ることの重要性
なぜなら、住んでいる住まいを長く持っていると、売却が難しくなるからです。
特に、新しい住まいを購入するためには、旧居の売却代金で資金をまかないたい場合は、高くかつスムーズに売ることが重要です。
そのため、できるだけ早く売却活動を始めた方が良いでしょう。
また、新しい住まいの購入には住宅ローンを利用する場合も多いですが、審査や返済計画の面でも早めに始めることが良いです。
住み替えとリフォームの判断基準
住まいが老朽化してきた場合、住み替えだけでなくリフォームを選択肢として考えることもあります。
ただし、立地を変えたいわけではない場合、リフォームを選ぶことで費用面の負担が軽減されることもあります。
ここでは、住み替えとリフォームの具体的な判断基準について詳しく見ていきましょう。
住み替えのメリット・デメリット
住み替えのメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
幅広い選択肢から立地を含めて検討できる
旧居の売却代金を新居の購入資金に充てることができる
広い一戸建てからコンパクトなマンションなどへ大幅な変更が可能
工事期間を待つ必要がない
デメリット
トータルコストが高い
売却や購入の手続きに手間がかかる
売却や購入の手続きに諸費用がかかる
旧居の住宅ローン残債は売却時にすべて完済する必要がある
住み替えの場合、リフォームに比べて必要な手続きが多く、総合的な費用も高くなりやすいというデメリットがあります。
一方で、新しい住まいを選ぶ際には、立地を含めた幅広い選択肢から検討することができるのが魅力です。
そのため、以下のようなケースでは、住み替えが適していると言えます。
住み替えに適したケース
都心から郊外に引越したい
都心の生活から離れ、よりのんびりとした環境で過ごしたい
車を使うエリアから、車の要らないエリアに引越したい
車の維持費や駐車場の心配をせず、公共交通機関での利便性を求めたい
一戸建てからマンションに引越したい
管理が行き届いており、リゾート気分の住環境を希望する
旧居の住宅ローンがない、あるいはほとんど返済している
当面の負担が軽く、新たな住まいを探すための柔軟な選択肢がある
リフォームのメリット・デメリット
リフォームのメリット・デメリットは以下のようになります。
メリット
施工箇所を絞り込めばコストを抑えられる – 全てをリフォームするのではなく、必要な箇所を限定すれば費用を節約できる 小規模なリフォームなら住みながら行える – 生活の中で工事を行いながら快適さや利便性を向上させることができる 立地を変える必要がない
現在の住環境や地域の利便性を損なうことなく、住み替えの手間を省くことができる 省エネや耐震、バリアフリー化などの施工では、補助金が支給されることもある
高齢者や省エネに関連するリフォームには、補助金制度があるため、負担を軽減できる場合がある
デメリット
大規模なリフォームでは新築同様の費用がかかる場合もある
インテリアや設備を一新する場合、新築に近い費用がかかることがある リフォームだけですべての劣化や不具合を解消できるとは限らない
古い建物の場合、リフォームだけでは全ての劣化や不具合を解消できないことがある 構造上、希望の間取りや設備配置が実現できない場合もある
建物の構造に制限があるため、希望する間取りや設備が実現できないことがある リフォームローンの選択肢が狭く、金利も高め
リフォームに特化したローンは限られており、金利も一般的な住宅ローンより高いことがある
リフォームに適したケース
なるべく立地を変えたくない
現在の住環境を維持しつつ、改修や改善を行いたいケース コストを抑えたい
全面的な新築よりも費用を節約しながら、住環境を改善したいケース リフォームだけで劣化や不具合を解消できる
改修やリニューアルで住まいの状態を向上させるだけで満足できるケース
一定以上の性能(耐震性、断熱性、気密性など)をもともと備えている
建物の基本的な性能が備わっているため、改修することでより快適に住めるケース
無理のない予算計画の立て方・考え方
50代は、老後資金についてもそれまで以上に現実的に考える必要があります。
住み替えの予算計画を立てる際には、以下の工程を意識しましょう。
今後のライフプランを検討する
夫婦や家族で話し合い、将来のライフプランを具体的に考えましょう
特に定年後の収入減に備えた家計の見直しを行い、老後資金の必要性と資金計画を明確にしましょう
収支・臨時収入・老後資金を慎重に考慮する
毎月の収支を把握し、退職金などの臨時収入を考慮に入れます
必要な老後資金を見積もり、新居の購入に充てることができる予算を計算しましょう
住宅ローンの残債を調べる
現在のお住まいの住宅ローンの残債を調べる手続きを行いましょう。
マイホームを売却する際には、引渡しまでに完済しなければなりません。
売却代金で返済できれば問題ありませんが、不足してしまった場合には、住み替えローンなどの選択肢を検討する必要があります。
住み替えローンの審査では、もちろんローンの残債が確認されます。
ですから、まずは現在の残債額を金融機関に問い合わせるか、残高証明書を取得して確認しましょう。
売却時の相場を調べる
残債額が分かったら、現在のお住まいがいくらで売れるか、相場を調べましょう。
売却予定額と残債額を比較することで、実際に手元に残る資金を計算できます。
具体的な相場を知りたいのであれば、複数の不動産会社に査定を依頼するのが確実です。
住み替え先の予算を計算する
残債額と売却予定額を把握したら、住み替え先の予算を具体的に計算します。
自己資金と、新たに購入する住宅ローンの返済が無理なくできる額を考えましょう。
ここに売却予定額と住宅ローンの残債額を加えると、住み替えのための予算が明確になります。
住み替え予算の計算方法は以下の通りです。
自己資金+無理なく返済できる住宅ローン借入額+(現在の住宅ローン残債-売却予定額)=住み替え予算
住み替え先を選ぶ基準
住み替え先を選ぶ際に意識すべき基準を紹介します。
まずは持ち家か賃貸かを検討しましょう。
現在のお住まいが持ち家であっても、住み替え先で必ずしも持ち家が最適とは限りません。
賃貸の選択肢も考慮に入れて検討することが重要です。
将来を見据えた住み替えのポイント
都会と地方のどちらが良いのか比較してみましょう。
まず、住み替えを考える際には、現在の居住地の立地を見直す必要があります。
もし都会に住んでいる場合、退職後の資金や将来の夢を考慮し、地方都市や田舎へ引越しをすることも検討できます。
また、自家用車での移動が主だった場合、高齢になった際に免許を返納することを想定して、公共交通機関の利便性の高いエリアへ引っ越すことも考えられます。
立地条件を選ぶ際には何を重視するかを考えましょう。
具体的な立地条件のポイントとしては以下のことが考えられます。
1. 公共交通機関の利便性
2. 商業施設や近隣施設の利便性
3. 治安や交通安全性
4. 家族や子供の住む場所との距離
5. 持病の治療を受けられる病院までの距離
次に考慮すべきは、一戸建てとマンションのどちらにするかです。
一般的に、一戸建てには「自由度の高さ」や「多くの部屋数」があり、子育て世帯に適しています。
一方、マンションは「優れた管理体制」と「セキュリティ」、「バリアフリー性」などのメリットがあり、老後を考える夫婦世帯に適しています。
また、駅近くにあるマンションも多く、特に特別な事情がない限り、マンションの方が住みやすいと感じられることが多いでしょう。
そして、50代の住み替えを考える際には、老後の快適な生活を送るために以下のことに注目すると良いです。
1. バリアフリー対応や介護のしやすさ
2. コミュニティの活動やサービスの充実度
3. ショッピングや医療施設へのアクセスの便利さ
4. 自然環境や静かさ これらを踏まえて、将来を見据えた住み替えを考えることが重要です。
バリアフリーを意識した住まい選びのポイント
住まいを選ぶ際に、バリアフリーを意識したポイントがあります。
具体的には、以下のような点に注意しましょう。
1. 全体的に段差が少ないか
住宅内に段差があると、車椅子などを利用する場合に移動が困難になります。
段差が少ないか確認しましょう。
2. トイレが広く設計してあるか
トイレは、バリアフリー設計の重要なポイントです。
広いスペースが確保されているかを確認しましょう。
3. 階段やお風呂場に手すりが設けられているか
階段やお風呂場に手すりがあると、移動や入浴時の安全性が高まります。
手すりの有無を確認しましょう。
4. 扉には引き戸が使われているか
引き戸は、開け閉めが容易で車椅子でも利用しやすいです。
扉の種類も確認しましょう。
5. マンションの共用部分は車いすでも通れる広さがあるか
マンションの共用部分は、車いすでも利用しやすい設計になっていることが望まれます。
広さや通路の設計に注意しましょう。
6. 浴室や段差はスリップ防止の工夫がなされているか
浴室や段差は、スリップ防止の工夫がなされていることが重要です。
安全性を確認しましょう。
以上のポイントを意識して住まいを選ぶことで、バリアフリーな環境を実現できます。
住み替え以外の選択肢
住み替えを検討する理由としては、「住宅ローンの返済が難しくなりそう」といった資金上の問題が挙げられます。
しかし、住み替え以外にも選択肢があります。
一つの方法として考えてみるのは、「リースバック」という方法です。
リースバックとは、現在の住まいを不動産会社などの第三者に売却し、資金を手に入れてからその住まいに引き続き住むという方法です。
この方法では、住環境を変える必要がないため、経済的・心理的な負担を軽減することができます。
具体的にどれくらいの価格で売却できるのか、またどれくらいの家賃を支払う必要があるのかについては、リースバックを取り扱う不動産会社に相談すれば見積もりを出してもらえます。
もし気になる方は、実際に相談しながら検討材料を集めてみるのも良いでしょう。
以上が「住み替え以外の選択肢」についての説明です。
まとめ
50代の方が住まいを変える場合、老後の生活計画を考えた時に必要となる資金計画が重要です。
具体的には、住み替えをするのか、それともリフォームをするのかも検討してみましょう。
住み替えの予算計画を立てる際には、元の住まいの住宅ローンの残債や売却相場を調べる必要があります。
住まいをダウンサイジングすることによって、立地の利便性やバリアフリー性にも目を向けてみましょう。
また、住み替えだけでなく、リースバックという方法も検討してみることができます。