タワーマンションのメリット・デメリット|豪雨や災害時のライフラインはどうなる?

不動産

高層階からは街並みを一望することができるタワーマンションは、多くの人々が一度は住んでみたいと考えるのではないでしょうか。

しかし、実は「タワーマンション」という言葉に明確な定義は存在しません。

建築基準法では、建物の高さを31m・60m・100mと区切り、それぞれに構造に関する規定が設けられています。

そのため、一般的には高さ60m以上(約20階以上)の建物をタワーマンションと呼んでいます。

タワーマンションの特徴とメリット

タワーマンションの最大のメリットは、何と言っても窓からの眺望の良さです。

立地によって異なりますが、遠くに広がる山々や美しい夜景など、素晴らしい景色を独り占めすることができます。

また、周囲に建物がない場合、カーテンを全開にしていても外からの視線を気にする必要がありません。

これは、プライバシーを重視する方にとって大きな利点となるでしょう。

さらに、タワーマンションには多くの共有施設が充実しています。

スポーツジムやプール、宿泊可能なゲストルームなど、贅沢な設備を利用することができます。

また、24時間フロントに常駐しているコンシェルジュがいるマンションでは、クリーニングや宅配便の受け渡しを代行してくれるなど、ホテルのようなサービスを受けることができます。

さらに、防犯設備も充実しており、警備員の巡回や防犯システムの導入が一般的です。

加えて、高層階では窓からの侵入が難しいため、セキュリティ面でも安心です。

また、タワーマンションは駅の近くや再開発エリアに建てられることが多く、駅直結型のものも少なくありません。

また、商業施設との複合型マンションでは、低層部分にスーパーやショッピングモール、銀行などがあり、より便利な生活が期待できます。

さらに、タワーマンションは「総合設計制度」を活用した建物が多くあります。

これにより、都市計画や環境配慮などを総合的に考慮した建築が行われ、快適な住環境を提供することができます。

以上のように、タワーマンションはその美しい景観や充実した共有設備、便利な周辺環境など、多くのメリットがあります。

そのため、多くの人々が憧れる住まいと言えるでしょう。

タワーマンションの共益費とエレベーターの問題点

タワーマンションには、建物の敷地内に公開空地を設けることで容積率や高さ制限の緩和を受けられる総合設計制度があります。

そのおかげで、利便性の高い土地にもかかわらず、周囲には緑地が多く設けられた住環境が実現しています。

しかし、タワーマンションにはいくつかのデメリットも存在します。

まず、耐震性に関しては一定の信頼が置けますが、高層階では実際の震度よりも揺れが大きく増幅される傾向があります。

そのため、高層階に住む場合は、家具などの転倒対策がとても重要です。

また、風も地上から遠いほど強く吹くため、台風や突風の際には建物が想像以上に揺れることがあります。

さらに、地震のエネルギーを吸収する装置を使用した制震構造や免震構造のマンションもありますが、これらの構造は建築コストが高く、定期的なメンテナンスが必要です。

そのため、維持費が高額になる傾向があります。

また、タワーマンションでは共用設備の充実が売りの一つですが、これを維持するためには共益費や管理費が高額になる場合があります。

共用設備をほとんど利用しない場合には、これらの費用は無駄な出費となります。

さらに、タワーマンションに住む場合は、エレベーターが不可欠なものとなります。

しかし、朝のラッシュ時には住人が一斉にエレベーターを利用するため、待ち時間が長くなることがあります。

特に高層階に住んでいる場合は、地上へ降りるまでにかなりの時間を要することもあります。

また、高層階と低層階に住む人との間で、エレベーターの利用に関するトラブル事例も報告されています。

以上のようなデメリットがあるため、タワーマンションに住む場合は、これらの問題点について事前に十分に理解し、利用する共用設備やエレベーターの利用方法について周囲の住人との間で配慮をする必要があるでしょう。

エレベーターの基数を確認しましょう

タワーマンションを購入する際には、エレベーターの基数にも注目することが重要です。

エレベーターの基数が多いほど、混雑が緩和されるため、快適に利用することができます。

特に、人口密集地や高層階に位置するタワーマンションでは、エレベーターの基数が少ないと混雑が生じやすくなるため、快適な生活を送ることができないかもしれません。

したがって、購入前にエレベーターの基数を確認し、快適な暮らしを実現できるかどうかを検討しましょう。

さまざまな価値観の住人が住みます

一般的なマンションと比較すると、タワーマンションは低層階と高層階で分譲価格が大きく異なるため、多様な価値観を持つ住人が同じ建物に住む特徴があります。

これは、一戸ごとの価格差が大きいため、経済感覚が近い住人が集まる中規模のマンションとは異なります。

そのため、タワーマンションでは、大規模な修繕や共同の決定事項についての合意形成が通常のマンションよりも困難になる可能性があります。

異なる価値観を持つ住人たちの意見調整が必要となるため、これを踏まえて購入を検討しましょう。

大規模修繕には問題が生じる可能性がある

多くのタワーマンションが1990年代以降に建設されているため、建物の老朽化に伴い様々な問題が発生する可能性があります。

具体的にどのような問題が生じるかは現時点では予測できませんが、建物の経年劣化や設備の劣化などが考えられます。

そのため、将来的に修繕やメンテナンスが必要になる場合があります。

まとめ

購入を検討する際には、現在の建物の状態だけでなく、将来的な負担やライフスタイルの変化なども考慮し、継続的に快適な生活が送れるかどうかを考えることも重要です。

将来の不測の事態に備えて、購入を検討する際には注意深く判断しましょう。