中古の一戸建てを購入する場合、購入後にかかるメンテナンス費用も考慮する必要があります。
新築とは異なり、中古物件では築年数によって必要な修繕費用が異なることがあります。
予期しない出費で困らないためにも、あらかじめ修繕費用や保険料、税金などの大まかな金額を把握しておくことが重要です。
ここでは、中古一戸建ての維持費について詳しく説明します。
戸建ての維持費は年間どれくらい?
住宅とマンションは違って、一戸建て住宅では管理費や修繕積立金が毎月かからないんです。
だから、自分自身でメンテナンスの周期を把握して、計画的に修繕費用を積み立てる必要があるんですね。
住宅産業協議会が作成している『住まいと設備のメンテナンススケジュールガイド』を参考にして、どのようなスケジュールで修繕を行うか、予想される費用の目安はどれくらいなのか、ということを紹介しますよ。
メンテナンス計画を立てることをおススメ
戸建て住宅では、15〜20年と30〜35年後に大規模な修繕が必要な場合があります。
この修繕にはかなりの費用がかかることが予想されます。
築15〜20年では、約600万円、築30〜35年では約900万円のリフォーム費用が見込まれます。
修繕の内容は、築年数によって異なります。
築15〜20年では、キッチンやトイレなどの水回りの設備の交換、クロスの張り替え、外壁や屋根の修繕などが主な作業となります。
一方、築30〜35年では、フローリングの張り替え、給排水管の交換、間取りの変更など、大規模なリフォームが必要になる傾向があります。
また、屋根の葺き替えなどの大規模な修繕も必要になるかもしれません。
築年数が増えると物件価格は下がりますが、その分、リフォーム費用がかさむ可能性があることに留意してください。
リフォームにかかる費用は、住宅の広さや作業範囲によって異なります。
これによって、リフォーム費用を住宅の購入費用に含めるかどうかで、資金計画が変わります。
中古住宅を購入する場合、あらかじめ最低限のリフォームが行われている物件を選ぶことで、総額で考えれば安く済む可能性があります。
物件を購入した後でもリフォームを行うことは可能ですが、リフォームローンを利用する必要があります。
ただし、住宅ローンとは別にローン契約をするため、毎月の返済が負担にならないかを事前にシミュレーションすることが重要です。
思っていた以上にリフォーム費用がかかることを避けるためにも、資金計画にリフォーム費用を組み込み、物件を購入するタイミングを慎重に選びましょう。
税金面でかかる費用
毎年、固定資産税と都市計画税がかかることがあります。
固定資産税は、所有している建物や土地の価値に基づいて計算されます。
一般的には、「固定資産税課税標準額×1.4%」で計算されますが、居住用の物件の場合は特別な軽減措置が適用されます。
具体的には、200平米以下の場合は6分の1が適用され、200平米を超える部分については3分の1が適用されます。
ただし、自治体によって税率は異なる場合があるので注意が必要です。
都市計画税も毎年支払われますが、計算方法は異なります。
こちらは「都市計画税課税標準額×0.3%」で計算されます。
居住用の物件についても軽減措置があり、200平米以下の場合は税率が3分の1、200平米を超える部分については3分の2となります。
物件の価格が高いほど、固定資産税や都市計画税も高くなる傾向があります。
しかし、中古の一戸建て物件の場合、新築と比べて固定資産税や都市計画税が割安になるというメリットがあります。
これにより、購入後のランニングコストも含めて、必要な金額を検討することが重要です。
リフォーム費用・修繕費用も考えよう
中古の住宅を購入する場合、多くの人がリフォームを前提として検討します。
なぜなら、築年数が経つと設備や外壁などが老朽化してしまい、メンテナンスを必要とするからです。
通常、築20年を過ぎたあたりから修繕が必要となることが多く、具体的な修繕箇所としては外壁や給湯器、トイレ、風呂などが挙げられます。
これらの修繕には、1回あたり約100〜130万円程度の費用がかかります。
(※)マンションの場合は、修繕積立金として毎月一定額を貯めておくことが一般的ですが、中古の一戸建ての場合は自分自身で毎月お金を貯めておく必要があります。
保険の費用も必要
安心して生活するためには、万が一の災害や事故に備えて適切な保険に加入しておくことが重要です。
特に、自分の住宅に関する保険についてご紹介します。
住宅に関する保険
住宅を保護するための保険は、主に火災保険、地震保険、家財保険の3つがあります。
住宅を購入する際には、損害保険への加入が必要です。
火災以外の災害(水災、水漏れ、盗難、風災、雪災、落雷など)にも補償が提供されます。
地震保険は、火災保険ではカバーされない地震に対する補償を提供します。
また、噴火や津波などの他の災害にも適用されます。
地震保険に加入する際には、火災保険とのセット加入が必要です。
地震保険の保険金額は、火災保険で設定した金額の30〜50%となります。
家財保険は、建物以外のものに対する補償を提供します。
例えば、落雷によって電化製品が壊れた場合などにも適用されます。
住宅に関するこれら3つの保険の特徴を考慮しながら、必要な補償内容を検討してみましょう。
まとめ
中古の一戸建て物件を購入する際には、築年数によって必要なメンテナンスの内容や費用が異なってきます。
古い物件ほど、建物の経年劣化や劣化部位の修理、改修が必要になる可能性が高くなります。
また、一度入居した後も、固定資産税や都市計画税などの税金がかかってくることに留意しておく必要があります。
これらの税金は、物件の評価額や所在地の市町村の税率に基づいて計算されます。
もし物件を購入した後にリフォームを行いたいと考えている場合、その費用の目安を事前に把握しておくことが重要です。
リフォーム工事にはさまざまな項目や範囲があり、それぞれにかかる費用も異なります。
また、住宅を購入する際には、損害保険や団体信用生命保険などの保険に関する知識も得ておくことがおすすめです。
これらの保険に加入することで、万が一の災害や事故に備えることができます。
住宅の購入にはさまざまな費用がかかってくるため、専門家からのアドバイスを受けて疑問点を解消しておくことが大切です。
不動産エージェントや建築士などの専門家に相談し、細かい点まで確認しておくことで、安心して物件を購入することができます。