一戸建ての維持費|購入後の維持費はどのくらいかかる?詳しく解説

不動産

一戸建ての購入を検討する際、準備すべきことや考えることがたくさんあります。

例えば、物件選びや住宅ローンのシミュレーション、引っ越し業者の手配などです。

しかし、注意が必要なのは、住宅購入後にかかる維持費を見落としがちであることです。

住宅ローンの支払い以外にも、一戸建てを所有することによってどのくらいの費用がかかるのか、事前に把握しておくことが重要です。

したがって、今回は一戸建て購入後にかかる維持費に焦点を当て、具体的にどのような費用がかかるかを詳しく解説します。

一戸建て購入後に必要となる維持費

一戸建てを購入した後、維持するためにかかる必要な費用には、税金、保険、家の修繕費、光熱費の4つがあります。

これらの費用は、住宅ローンの返済計画とは別に考慮する必要がありますので、注意しましょう。

まず、一戸建ての維持に必要なお金として、「家の修繕費」があります。

家の修繕費は、建物の老朽化や損傷など、日常の使用や気候の影響などによって必要となる費用です。

例えば、屋根や外壁の修繕、水道や電気の設備の修理、床や壁の補修などが含まれます。

特に、一戸建ては大きな面積を持つため、修繕には一定の費用がかかります。

このため、定期的な点検やメンテナンスを行い、必要に応じて修繕を行うことが重要です。

また、いざという時に備えて、修繕費用を積み立てておくこともおすすめです。

家の修繕費は一度にまとまった金額が必要となることもありますので、予算を立てておくことが必要です。

また、修繕の内容や規模によって費用が変動するため、専門家に相談することも重要です。

総じて、一戸建てを維持するためには家の修繕費が必要となります。

定期的な点検やメンテナンス、修繕のための予算を立てて、建物の健康を保つことが大切です。

修繕費はどのくらいかかる?

家を購入してから約10年が経過すると、修繕が必要になることが多くなります。

特にキッチンやバスルーム、洗面所などの水回り部分は、頻繁に使用するため、古くなってきたり故障しやすくなったりします。

また、10年以上経つと、キッチンやお風呂の規格も時代に合わなくなりますので、買い替え時として適切です。

新しいモデルと比較すると、節水能力も劣っていることが多く、交換にかかるコストを将来の光熱費で節約できることもあります。

ただし、水回りのリフォームは高くつく傾向があります。

例えば、お風呂を全面的にリフォームすると、おおよその相場は100万円から120万円くらいです。

キッチンを完全に入れ替える場合でも100万円以上、洗面台を交換するだけでも30万円くらいの費用がかかります。

仮にキッチン、お風呂、洗面所の水回りを一気にリフォームする場合、最低でも200万円から250万円は必要です。

一度に大きな費用をまとめて支払うのは難しい場合でも、毎年家の修繕費を貯金しておくことで心配はありません。

たとえば、購入してから10年後に全面リフォームを行うことを想定すると、単純に「25万円=250万円÷10年」という計算で、毎年の貯金額を算出できます。

ただし、水回りだけが修繕対象ではありません。

同様に注意が必要なのが建物の外装部分です。

特に風雨にさらされ続ける「屋根」と「外壁」は、大体10年経過すると劣化が目立つようになります。

外壁の修繕には、劣化の程度や使用する素材によって費用が異なりますが、一般的には「屋根の張り替え」で50万円から100万円くらい、外壁の修復(コーキング工事を含む)では100万円から200万円くらいの費用がかかる場合があります。

これを全て合わせると、合計で200万円から300万円くらいの費用がかかることになります。

一軒家のメンテナンスは、主に水回りと外壁を重点的に注意する必要があります。

おおよそ10〜15年に1回程度の頻度で、リフォームや修繕工事を行うことが一般的です。

わずかな劣化は気にする必要はありませんが、修繕費をケチって放置すると、劣化が進んでしまい、その結果修繕費が高くなる可能性があります。

つまり、修繕を先延ばしにせずに、適切なタイミングで修繕を行うことで、予想以上にコストを抑えることができるのです。

一般的には、購入後10〜15年の間に、水回りと外壁の総額で400万〜500万円程度の修繕費用が必要となることを想定しておくと良いでしょう。

税金・保険はどのくらいかかる?

住宅の所有には、税金と保険の支払いが必要です。

税金は、不動産所得税や固定資産税などの形で発生します。

不動産所得税は、賃貸収入がある場合に課される税金であり、固定資産税は、土地や建物の所有者が支払う税金です。

保険は、火災保険や地震保険などの形で必要になります。

火災保険は、火災や爆発、盗難などのリスクに備えた保険であり、地震保険は地震による被害に備えた保険です。

これらの保険に加入することで、万が一の際に建物や家財を保護することができます。

税金や保険の金額は、各々の条件や物件の評価額によって異なります。

不動産所得税や固定資産税の計算方法は複雑であり、専門的な知識が必要です。

また、火災保険や地震保険の料金も、物件の評価額や保険の内容によって変動します。

これらの費用は、マイホームの所有者にとって避けて通れないものです。

したがって、所有する前にこの費用について十分な理解を持つことが重要です。

税金や保険の詳細な仕組みや金額については、専門家に相談することをおすすめします。

固定資産税

固定資産税とは、土地や建物などの不動産を所有している人に対して、各市区町村から課される地方税のことです。

この税金は、毎年1月1日時点の不動産の評価額に基づいて計算されます。

具体的には、各市区町村が評価した不動産の価値に基づき、「土地」と「家屋」の2つに分けて納税額を算出します。

細かな計算方法は複雑ですが、一般的には土地と建物の購入価格の7割程度が固定資産税評価額となるように調整されています。

ですので、とりあえずは「購入価格の7割が固定資産税評価額」と覚えておくと良いでしょう。

ただし、納税額を決める際には軽減措置があります。

例えば、土地の場合、特定の条件に応じて評価額が6分の1または3分の1になることがあります。

また、建物については、課税床面積が120㎡以下の部分については3年または5年間、納税額が2分の1に軽減される措置があります(ただし、中古住宅は対象外です)。

固定資産税の納税額は、家屋の構造や設備、立地などによって異なりますが、一般的な規模の一戸建ての場合、年間で10万円から15万円程度です。

固定資産税は不動産を所有する上で非常に重要な税金です。

都市計画税

課税される地方税の一つに、固定資産税とセットで課される「都市計画税」があります。

都市計画税は、市区町村が定めている「市街化区域内」に土地や建物などの不動産を所有している方々に対して、毎年課される地方税です。

具体的には、毎年1月1日時点で所有している不動産の評価額に基づいて課税されます。

都市計画税の計算方法は簡単です。

固定資産税評価額(土地や建物の評価額)を基にして、0.3%という制限税率を乗じることで税金の額を算出することができます。

ただし、住宅用の土地については軽減措置が用意されています。

この軽減措置が適用された場合、土地の評価額が実際の評価額の3分の1または3分の2となります。

したがって、マイホームを建てた場合には、多くの場合軽減措置の対象となります。

このため、目安として考えておくと良い納税額は、1年間で約3万円から5万円程度となるでしょう。

火災保険

住宅ローンを組む際には、必ず火災保険に加入しなければなりません。

このため、自分たちの家に合った保険を選ぶことが非常に重要です。

保険の内容は様々で、建物の所在地や構造、補償対象の範囲(家財も含むかどうか)や特約の種類、保険の期間などによって異なります。

ですので、保険の相場を把握することは容易ではありません。

例えば、東京都内にある100㎡の一戸建ての場合、保険期間が10年で、建物のみが対象で、補償が火災と風災で割引がないプランの場合、年間の保険料はおおよそ1万5000円程度となります。

しかし、実際には多くの人が地震保険も契約する傾向にありますので、火災保険だけでは年間2万円を下回ることは難しいと言えるでしょう。

地震保険

地震保険は通常、火災保険と一緒に契約することが一般的で、どの保険会社でも同じ保険料を設定しています。

保険料は2019年1月に改定されましたが、この料金は建物の構造や所在地によって決まります。

例えば、東京都内にある一戸建ての場合、建物の評価額を1000万円とし、家財の補償額を300万円と仮定すると、地震保険の年間保険料は非耐火構造の建物では約2万7430円、耐火構造の一戸建てでは約1万7880円になります。

地震の被害が多い地域ほど保険料が高くなる傾向がありますが、木造建物の場合は年間7100円から2万5000円程度、マンションなどの場合は年間1万1600円から3万8900円程度が一般的な相場となっています。

まとめ

一軒家を維持するためにかかる費用は、他にも光熱費や駐車場代、そして地元の自治会費などが必要になります。

駐車場については、持ち家に設備が備わっているかどうかで大きな違いがありますが、総務省統計局の小売物価統計調査によると、月極駐車場の全国平均は1万円です。

都心部や大都市内では相場が高くなり、東京都内では平均2万6219円、大阪市内では平均2万円となっています(2021年1月現在の数字です)。

光熱費については、総務省統計局の2020年家計調査報告(家計収支編)を参考にすると、二人以上の世帯での月間水道光熱費の全国平均は2万1836円です。

さらに、一軒家に住む場合、町内会や自治会に入ることが多いです。

自治会費は地域によって異なりますが、安い場所では200円、高い場所では2万円ほどの費用がかかることが多いようです。

自治会費は地域やエリアによって大きな差がある特徴があります。