「道路より低い土地」という条件について、多くの人がデメリットが目立つと思うのは正しい見方ですが、実はそこには隠れたメリットも存在します。
一般的に、道路よりも低い土地は水害のリスクが高まるなどのデメリットがあり、そのために価値が下がることが少なくありません。
しかし、このような土地にも注意深く利点を見出すことができるかもしれません。
例えば、周辺が便利な地域であっても、同様の土地が他よりも安価で取引されているケースがしばしば見られます。
それらの土地が持つリスクを適切に軽減できれば、手頃な価格で便利な土地を手に入れるチャンスがあるのかもしれません。
このページでは、「道路より低い土地」のメリットやデメリットを分かりやすく解説しています。
お得な土地を探している方や、親から相続した土地が道路よりも低い場所にあるという方にとっても、ぜひ参考にしていただければと思います。
道路より低い土地のメリット
ここでは、道路より低い土地のメリットを見ていきましょう。
駅近や好条件の土地がある可能性がある
需要の高い地域に位置する土地は需要が旺盛であり、すぐに売り切れてしまうことがよくあります。
一方で、道路よりも低い位置にある土地は利点が少ないため、販売が難しく売れ残りやすい傾向があります。
そのため、需要が高い地域でも、道路より低い土地は売れ残ることがあります。
このように、道路よりも低い位置にある土地は、売れ残る可能性が高い傾向があります。
それでも、需要の高い場所に位置する土地でも、価格が手頃で買い手が見つかることもあります。
価格が安いことがある
道路からの高低差がある土地は、いくつかの潜在的なデメリットを持っています。
例えば、水がたまりやすいため、排水の問題が発生しやすいことが挙げられます。
そのため、このような土地の価格は一般的に安く設定されています。
このようなデメリットを理由に価格交渉を行うことで、さらに価格を引き下げる可能性もあるので、交渉による値引きのチャンスを逃さないようにしましょう。
道路より低い土地のデメリット
ここでは、道路より低い土地のデメリットを見ていきましょう。
排水に注意
地形的に低い位置にある土地では、雨水の排水に関する問題が生じることがあります。
周囲よりも低い位置にあると、周囲からの雨水が流れ込んでくることがあります。
雨水や汚水などの排水管が土地よりも高い場所にある場合、ポンプを使用して水を汲み上げる必要があります。
土地を購入する前に、雨水や汚水の排水状況を確認することが重要です。
特に台風やゲリラ豪雨などで、短時間に大量の雨が降る場合があります。
その際にも十分な排水設備が整っているかどうか確認し、十分な排水能力がある設計であることが必要です。
道路や隣地からの雨水の流入に注意
道路や隣地が高い位置にある場合、土地が低くなっていると、雨水が流れてきて水害の原因になる可能性があります。
そのため、外構の設計段階で、道路や隣地からの雨水の流入を防ぐための工夫が必要です。
例えば、土地を傾斜させて雨水が勢いよく流れ込まないようにしたり、雨水を貯めるための溝や排水路を設置するなどの対策が考えられます。
これにより、周辺からの雨水を適切に排水し、土地の浸水を防ぐことができます。
湿気が多くなる可能性がある
もし道路よりも低い場所にお住まいの場合、その地域は湿気が多くなる可能性があります。
地面が露出している場所は湿気を吸いやすくなるため、できるだけ遠ざけたり、通風をよくする対策が必要です。
湿気対策をしっかりと行うことで、快適な環境を保つことができます。
日当りが悪くなる可能性がある
お住まいの土地が道路よりも低い場合、その土地は周囲よりも日当たりが悪くなる可能性があります。
このような場合、住宅を設計する際には特に工夫が必要です。
住宅の配置や窓の設置などを工夫することで、日当たりを確保するようにしましょう。
隣地との高低差に注意
あなたの敷地が隣接する土地よりも低い位置にある場合、そのままにしておくと問題が生じる可能性があります。
そのためには、隣接する土地に設置されている擁壁が十分な強度があるかどうかを確認する必要があります。
擁壁が不適切である場合、土地の崩壊や隣地への影響が出る可能性があります。
そのため、念のため専門家に相談したり、地盤調査を行ったりして対策を検討することが重要です。
バリアフリーが出来ない可能性がある
家を建てる土地が道路よりも低い場合、その土地に建物を設けるならば、敷地に適切にアクセスできるよう外部階段が必要となります。
その外部階段は、現在は問題なく昇降できても、将来的には足腰が弱ってきたり、車椅子を使用するようになったりするかもしれません。
その際に、外部階段が日常生活に支障をきたす可能性があるため、バリアフリーの家を建てたい場合には、この点について工夫が必要です。
道路より低い土地と建築基準法
建築基準法の第19条には、建築物の敷地に関する規定が定められています。
「これに接する道の境より高くなければならず、建築物の地盤面は、これに接する周囲の土地より高くなければならない」としています。
「ただし、敷地内の排水に支障がない場合又は建築物の用途により防湿の必要がない場合においては、この限りでない」
この法律によれば、建物が面する道路の範囲よりも敷地が高くなければならず、また建物の基礎部分は周囲の地盤よりも高い位置になければなりません。
ただし、排水に支障がない場合や建物の用途が防湿を必要としない場合は、この制約から解放されるとも記載されています。
第十九条 建築物の敷地は、これに接する道の境より高くなければならず、建築物の地盤面は、これに接する周囲の土地より高くなければならない。ただし、敷地内の排水に支障がない場合又は建築物の用途により防湿の必要がない場合においては、この限りでない。
実際には、道路よりも低い位置に建物が建てられているケースも多く見られます。
これは、法に違反しているということではなく、例外的な条件がある場合などに許容されることがあるためです。
道路よりも低い土地に住宅を建てることには、さまざまなデメリットが考えられますが、それらに対処するための適切な設計を行えば、住み心地の良い家を実現することが可能です。
まとめ
今回は、高低差のある土地について、詳細に説明しました。
高低差のある土地は、価格が比較的安くなることが多いですが、工事が必要になるため、住宅を建設する際に追加の費用と時間がかかるというデメリットがあります。
ただし、その土地固有の特徴を生かして、独自のデザインや構造の住宅を建てることができるというメリットもあります。
そのため、将来的に高低差のある土地に住宅を建設することを検討している方にとって、この情報は参考になるでしょう。